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大塚信頼のブログ


by nobuyori_1
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血液による出生前診断

胎児にダウン症などの染色体異常がないかどうか、妊婦の血液から99%の確率でわかるという新たな出生前診断が、国内の2つの病院で導入されることがわかった。日本ダウン症協会は、出生前診断が安易に行われることに反対している。

なぜ、日本ダウン症協会が反対するのだろうか?

現在、出生前診断として行われている羊水検査は、流産の危険性があるため、新しい診断の希望者が増えることが予想される。一方で、検査結果による人工妊娠中絶の増加も懸念され、日本ダウン症協会は出生前診断が安易に行われることに反対している。
 (日本テレビ)


このような問題は生命倫理(バイオエシックス)と言われる分野に属する問題で、誰もが関わりを持ってくる問題だから他人事ではなく身近な問題として真剣に、そして慎重に考える必要がある

医学技術が目覚しく進歩する一方、倫理が確立されていないと、技術が一人歩きをして、利潤追求のため非倫理的な目的のため人の命や身体が利用されるようになるからだ

容易にしかも危険度がなく、胎児に染色体異常があるかどうかをチェックできれば、ダウン症の子どもが人工中絶をされる可能性がより大きくなる、ということが危惧されている

問題は、人間が命を質で選別することの恐ろしさである。病人、身体・精神障害者を殺していったドイツ・ナチスでなされた「優生学」につながる恐れがあるからだ。社会的強者が社会的弱者を社会的重荷として消し去っていいくとき、この世は地獄と化すであろう。弱者が生かされる社会こそ、安心できる豊かな社会なのだから。

受精した胎児は、人権を持っている。生存権を持っている。神から与えられた命なのだ。
医者であろうと親であろうと、胎児を殺す権利はもっていない。

”ダウン症の子どもは、生まれて不幸になるなら、殺してあげたほうが子どものため”
こんな身勝手な言い分が曲がり通っている
裏に隠された動機は、自分が障害者を抱えて苦労したくない、ということではないだろうか?
この考え方は、結局、”今生きている障害を持つすべての人は不幸だから殺してあげたほうがその人のため”と言っているのと同じではなかろうか?
そういう親には自分にも少しは障害があることを、またいつでも障害者になる可能性があることを自覚して欲しい
そしてその様な子どもを愛せない心の障害者であることを自覚して欲しい

出生前診断がなされる目的は、生まれてくる子どもにふさわしい環境を整えるためでなくてはならない。
中絶の目的のためになされるようであってはならない
ダウン症であることがわかったら、親はその子が幸せに生きるための心積もりと環境を用意する。社会も用意する。その目的のためでなければならない。

その辺りが押さえられているなら、新しい検査方法も導入されることに問題はなくなるだろう。

ただ現実問題として、出生前診断が始まって以来、大きな確立でダウン症の子どもが人工中絶をされてきた現実がある。倫理規定を確立し遵守されない限り、さらに多くのダウン症の命が殺されるようになるだろう。

人間はどんなに自己中心であり、罪深いとしても、人の命を奪うようなことはしてはならない

私は2家族のダウン症の子どもを授かった若夫婦を知っているが、同じような境遇の方々の交わり・サポートを受けて他の兄弟と一緒に育てておられる。その子のゆえに特別な世界が開かれたと言って大切にしておられる

産んでも育てられない状況におられる方には、NPO団体を通して養子に出すという道がある。
世の中には障がい者をも受け入れ育てようと思っておられる夫婦がいる
だからそのような団体と連絡を取り、とにかく安心して与えられた命を産む役割を果して欲しい。
(参考 小さな命を守る会、NPOベビーライフなど)
by nobuyori_1 | 2012-08-30 05:17 | 最近教えられたこと | Comments(0)